Tech と Culture

テクノロジーとカルチャー

Elon Musk

自分は有名経営者の中で、Elon Muskが一番好きなんだけど、今日、またすごい痺れる発表をしてた。

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http://www.teslamotors.com/blog/all-our-patent-are-belong-you

"我々のパテントはあなたのもの”

オープンソーススピリットに従い、電気自動車テクノロジーの進歩に向けて、Teslaは我々の技術を使いたい人とパテントの主張で闘ったりしないことにした。
最初にZip2という会社を作った時、パテントは良いものに思えたのでパテント取得に頑張ったが、パテントはしばしば進歩を抑圧して、大企業のポジションを強くし、真の発明者よりも法律家をリッチにしてきた。
Teslaでは、大企業が我々の発明を使って、その大量生産力やセールス力でTeslaを圧倒するのではないかという恐れからパテントを取らないといけないと感じてきた。

しかし、それはもう止める。間違っている。

事実は正反対だ。電気自動車プログラム(二酸化炭素排出しない車のプログラム)は大企業には殆ど存在しないし、大企業の全体セールスの1%にも満たない。

もっとも頑張っている大企業でも電気自動車はほんの少ししか売ってないし、全く売ってない所もある。

年間に生産される車は1億台に達し、地球上には20億台存在してる。Teslaが二酸化炭素危機に対応できるほどのスピードで電気自動車を作って行くことは不可能だ。別のいい方をすればマーケットは巨大だということだ。我々の真の競争相手は、ちょろちょろと作られているTesla以外の電気自動車ではなく、世界中の工場から毎日莫大な数生産されているガソリン車だ。

Teslaや他の電気自動車メーカーや世界は、共通のテクノロジープラットフォームから大きな利益を得られると確信している。

テクノロジーのリーダーシップはパテントによって定義されるのではなく、世界中の才能のあるエンジニア達を惹き付け、モチベーションを与える会社の能力である。
我々はオープンソース哲学を我々のパテントに適用する事が、Teslaのポジションを危うくするのではなく、さらに強くすることを確信している。

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Elon Muskは、SpaceXで宇宙に挑戦してたり、Teslaで電気自動車に挑戦したり、HyperLoopでロスとサンフランシスコを高速につなごうとしてたり、本当に人類の挑戦みたいなことをビジネスベースでやってる人なんだけど、真にイノベーティブなチャレンジにおいては、ビジネスにおいてもオープンソース的な発想で行動した方が良い結果が出ると判断したって感じ。

結局、イノベーティブなチャレンジをしても周辺の会社がついてこないと適用されないことが多い訳で、それならば会社の枠にとらわれずに全体で新産業を伸ばした方が良い、というかそうするしかないってことなんだと思う。

以下でJOIも言ってるけど、BI(before internet)とAI(after internet)で技術が発生して広まる方向がトップダウン型からボトムアップ型に変わって来てる。ボトムアップの時代にはオープンなカルチャーの方が優秀なエンジニアを惹き付けやすい。

http://techwave.jp/archives/51724871.html

ソフトウェア会社は完全にボトムアップ型になってカルチャーが完全に変わってしまった。githubみたいにイケテル会社は従来の会社内の官僚組織なんかクソクラエって感じで、出勤も必要なくて世界のどこにいてもいいよみたいなカルチャーで優秀なエンジニアを集めてる。twitterもちょっと前に、特許は守りにしか使いません宣言してる。

いよいよ、ハードウェア産業の本丸みたいな自動車産業にもそのカルチャーの波がやって来たんだなーと感じた日でした。