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Leon Processor について

MIGの調査は継続中です。
このBlogにLEON processor導入部分の記事が無いために実際に使ってみることにハードルがあるようです。
これから数回に渡って LEON processor をとりあえず動かすための情報をUPしていこうと思います。FPGAにLEONシステムをマッピングしてLinuxをブートさせるまでを書きます。

まず、LEON がどのようなプロセッサなのかをこのエントリで説明しておきたいと思います。

最初の LEONは、 ESA (European Space Agency : 欧州宇宙機関) で開発され、1999年に発表されています。宇宙で使用される半導体はアルファ粒子放射線や宇宙線放射線の影響でメモリやレジスタの値が変更されてしまうSEU(Single Event Upset)現象が起きてしまう可能性があります。 LEON は宇宙船でも使用できるように、このSEUの対策を行ったプロセッサとして開発されました。アーキテクチャとしてオープンなSPARCを採用しています。GNU general public Licenseで公開されました。
その後、チーフデザイナーであった、jiri Gaislerは、ESAを離れ、gaisler research社を設立し、LEONの開発を続けています。LEON2はSEU部分を取り除いたものが LGPLライセンスでソースコード公開されました。その際には、プロセッサの周辺IPも接続された形で公開されています。LEON3はコマーシャルライセンスとGPLライセンスの2種類のライセンスがあります。多数の周辺IPと一緒にgaisler researchのHP( www.gaisler.com )からダウンロードすることができます。一部の高機能IPはコマーシャルライセンスのみとなっていますが、大多数の周辺IPもGPLライセンスで使用することができます。

LEON3の特徴として以下のようなことが挙げられます。
1. FPGAのみならず、ASICとして動作実績がある(Silicon proven)。
SPARC internationalより、公式にSPARC V8 Architecture準拠の承認を取っています。
SPARC向けのバイナリがあるソフトウェアなら問題なく動作します。
ソフトウェア、ハードウェアともオープンソースでありながら、信頼性が高いです。

2. 多数の周辺IPコアが同一環境でオープンソースライセンスで公開されています。
(Ethernet MAC, GPIO, memory contoller, AHB/APB bridge, AMBA controller, PCI, UART, JTAG, PS/2, CAN, I2C,....)
これらのコアが接続されたSoCとしてソースコードが公開されています。
約50種類ある、公式サポートFPGAボードを使えば、そのまま簡単にシステムを動作させることができます。
またIPの接続の変更もGUIで簡単に行えます。

3. ライセンスはオープンなGPLを用いています(いわゆるオープンソースハードウェア)。
プロセッサ初め、Ethernetコア等のIP郡のRTLを読むことができるため非常に勉強になります。
Xilinx, Altera, actel, ASICどれでも簡単にマッピングできるようになっている。
コマーシャルライセンスも準備されています。
  (他のソース公開できないIPと一緒に使用して商品を開発する場合はライセンスを購入することになります。)

以上のように非常に魅力のあるオープンソースハードウェアです。